派遣で車を使うときは業務用車両の使用に関する覚書が必須です。これがないと交通事故発生時に大きなトラブルに発展する可能性があります。
■■■■■ (派遣先。以下「甲」という)と■■■■■(派遣元。以下「乙」という)とは、甲と乙の間で締結された労働者派遣個別契約に基づき、乙が甲に派遣する派遣社員(以下「丙」という)が、甲の所有もしくは使用している車両(以下「本件車両」という)を使用する場合の扱い等について、以下の通り合意し、本覚書を締結する。
(目的)
第1条
本覚書は、本件車両の使用について本覚書に定めるところに従い、各自の責任を自覚し、その義務を履行することを目的とする。
(適用範囲)
第2条
甲と乙の間において、平成■■年■■月■■日に締結した、個別労働者派遣契約(以下当該派遣契約という)の業務に付帯して、甲と乙の間で合意した範囲において、甲は丙に本件車両の使用をさせることが出来る。
(必要条件)
第3条
当該派遣契約期間中において、丙が有効な(免許更新も含む)運転免許証を所持しており、運転免許の取得後、業務との関連性の有無を問わず、実車運転経験を1年間以上有していること。
また、運転免許証の累積違反点数が、4点以上ではなく、直近6ヶ月以内に、自己の故意又は過失による自動車事故歴がないこと。
乙は自動車安全運転センターへ丙の運転記録証明の照会結果を甲に提出すること。
(通知事項)
第4条
甲は、丙に本件車両を使用させようとするときは、あらかじめ、乙に対し書面で下記の事項を通知する。
- 丙の氏名
- 本件車両の登録番号
- 本件車両を使用する業務の概要
- 予想される使用の区域及び時間
- 本件車両の管理者の氏名
(本件車両の特定)
第5条
丙が第2条において使用する本件車両は、甲が所有する社用車、もしくは公用車とし、甲が業務の遂行のために、その責任と費用において自ら契約するリース車両、レンタル車両も含むものとする。
(安全配慮義務)
第6条
甲は、その責任及び負担において、丙に車両を使用させるものとし、このため甲は丙に対し、十分に安全の配慮を行い、指示をするものとする。
2. 本件車両の運行状況その他の管理は、甲の派遣先責任者、もしくは同人が指名した甲の職員がこれにあたる。
3. 甲は、丙に本件車両を使用させるときには、丙の運転能力、身体の状況等を考慮して、運転に支障をきたし、事故発生の危険が生じないように、適正な運行計画を立案しなければならない。
4. 甲は、丙の運転業務の状況を管理するため、少なくとも次の項目を記載した車両運行日報を作成する。
- 月日
- 就業及び終業時間
- 走行距離
- 走行経路の概要
- 休憩時間
- 車両の異常の有無(本人の申告に基づくときはその旨記載)
5. 甲は、乙から要請があったときは前項の日報の写しを乙に交付する。
6. 甲は、万一本件車両が関係した事故が生じたときは、事故の大小、内容の如何を問わず、すみやかに全て乙に通知する。
(保険の付保)
第7条
甲は、甲の負担において、本件車両について、次の各保険に加入し、事故発生時には当該保険を使用することをあらかじめ承諾する。
-
- 自賠責保険
- 対人賠償責任保険
a.限度額無制限
b.運転者の年齢その他の制限があるものについては、少なくとも丙が制限条項の適用を受けないもの - 対物保険1000万円以上
- 同乗者保険
- 車両保険
2. 甲は、乙に前項の任意保険証書の写しを提出する。
3. 甲は、前項の保険加入手続きを完了するまでは丙に本件車両を運転させてはならない。
(損害の負担)
第8条
第2条の規定により、丙が本件車両を使用中、事故が発生した場合において、第7条により付保された保険により填補されない損害、又は雇用関係上発生する労働者災害補償保険に係わる以外の損害が発生したときは、甲はかかる損害の負担をする。
ただし、丙の故意または重大な過失により生じた場合は、乙はかかる損害の負担をする。
(費用の負担)
第9条
甲は、本件車両の使用にかかる費用(ガソリン代、高速料金、駐車料金その他)を負担し、丙が一時的に負担したときは同人との間で直接精算する。
(貴重品及び同乗者)
第10条
甲は、業務のためといえども、本件車両に現金、美術品、その他高価な積載物及び同乗者を乗せることは行わないものとし、仮に、必要に応じてこのような行為を行うときは、甲の責任と負担において行う。
(有効期間)
第11条
本覚書の有効期間は下記の覚書締結日から当該派遣契約に定める契約期間終了日の平成■■年■■月■■日までとする。
ただし、当該派遣契約が更新延長された場合は、引き続き同期間自動更新し、以後も同様とする。
(協議事項)
第12条
本覚書に定めのない事項については、甲乙協議の上、円満に解決する。
本覚書締結の証として本書2通を作成し、甲乙記名捺印の上、各1通を保有する。
平成■■年■■月■■日
甲■■■■■
■■■■■印
乙■■■■■
■■■■■印
